子どもが「少年野球をやってみたい!」と言ってきた。でも、少年野球って親の負担が大変なんでしょう?と思わず検索をしている保護者さん。
数多くのサイトの中から私のブログにたどり着いて下さり、ありがとうございます。
私の子どもは小学校4年生から少年野球を始めました。入団する前に私が一番気になったところは親の負担です。
私もたくさんのサイトを閲覧しましたが、実際に入団したら思っていた以上に親の負担があったので、それらも含めてまとめてみました。
これを入団前に読んで、それでも自分の子に少年野球をさせてもいいかなと思える親御さんは、本当に親の鏡だと思います。
スポ少と習い事の違い
まず知っておいてほしいのが、スポ少と習い事の違いです。少年野球は基本的にスポ少の位置付けになることが多いのですが、ちょっと安い習い事くらいの感覚で入団すると後悔することになります。
スポ少とは、そのスポーツをやりたい子どもが集まって、その地域で活動します。活動費は安価で監督コーチ陣もボランティアなので、参加する子の親が積極的に運営に参加する必要があります。
それに対して習い事やスクールは、株式会社や個人が営利目的で運営する私的団体です。参加する子の親が(それなりに高額な)お金を払って子どもを預けるので、親は送迎・見学のみの場合が多いです。
言葉は良くないですが、お金を払うか労働力を提供するかということになります。
その点を理解してから入団することをおすすめします。
少年野球における親の負担・役割一覧
お茶当番
もう少年野球といえばの有名なお茶当番です。当番のお母さんたちが、監督やコーチにタイミングを見計らってお茶やコーヒーを差し入れするという。もちろん子どもたちにもジャグで水、麦茶やスポーツドリンクを用意します。あのジャグは重くて大きくて持ち運びも大変なんですよね。
このお茶当番は、喫煙者の監督のために灰皿を用意しておいたり、お弁当を作ってきたり、コンビニに買い出しに行ったりと様々な雑用係を総称しています。
チームの人数にもよりますが、月に1回(一日中)なので何とかこなせていた大変な当番です。今後はなくして行こうという動きがあるのが救いです。
用具・テント当番
コーチやお父さんが担うことが多い用具・テント当番。野球の用具は本当にたくさんあって、専用の倉庫や車を借りているチームもあるくらいです。
練習をするにも、試合をするにも設営が必要なのが野球の大変なところです。用具は何十個もあるので、運び出して設営するだけで5、6人の大人で30分くらいかかります。夏場は控えや休憩場所としてテントを設置することもあるので力仕事です。
中学生になると自分たちだけで準備もできるようになるそうですが、小学生には少し難しいので、親の出番となります。
審判当番
試合では必ず必要になる審判。野球経験者が担うことが多いですが、野球初心者の父が駆り出されることもあるほど人員不足な面があります。
少年野球はプロ野球とはまたちょっと違うルールだったり、イレギュラーなことが度々起こるので、なかなか大変な役割なのだそうです。
救護当番
特に夏場は必要になる救護当番。お茶当番と一緒になっていることも多いですが、一番といっていいほど大切な役割です。
野球に限らずスポーツをしているとどうしても怪我をする子が出てきますが、特に野球は用具が多いだけに怪我が絶えません。
バットやボールに当たって冷やすこともありますし、転んだとか指が切れて絆創膏を貼ったり、炎天下のグラウンドで熱中を起こしたり、冬場に寒くてお腹が痛くなったり。
そういった体調不良者を監督やコーチに任せると、その子のお世話に追われ、他の子の時間が無駄になってしまうのでもったいないです。
監督やコーチに体調不良を言い出しにくい子もいて、無理して我慢してしまったりするそうなので、お母さんたち当番がいることで、子どもたちも声を上げやすかったり、その子の親に迅速に連絡できたりします。
ボール磨き当番
最初、この制度を知ったときはそんなの子どもにやらせればいいのにと思いました。当番が回ってきたら、練習に使うボールを家に持って帰って磨くんだそうです。そして次の練習に持ってくるという…。
子どもにやらせると適当になったり、やらずに持ってくる子がいて不公平になったり、ボールの劣化・破損に気づかなかったりするそうで、親の当番になったという事情があるようです。道具を大切にする姿を子どもに見せるのは大事だと思います。
マネージャー
一番大変なのがマネージャーです。監督との細かな連絡確認、コーチのスケジュール調整、試合のスケジュール管理、監督と保護者の連絡係、保護者の意見をまとめるなどなど、その活動は補助がメインではありますが、本当に多岐にわたります。
昔からいる古株の保護者がなることが多いと思います。
スコア係
少年野球でもスコアを付けるのですが、ルールを理解して、スコアを付けられるようになるまでが大変なんです。
夏は暑いし、冬は寒いグラウンドで座っているとは言っても、一時間半もの間ずっと拘束されて集中してスコアを付けなければならない。
もちろん自分の子どもが試合に出ていても応援できません。
スコアラーは一人に任せると負担が大きすぎるので、複数人がスコアを付けられるようになるのが理想的です。
タイマー・記録係
タイマー・記録係は、試合の時間を計ったり、投球の数を数えたり、選手交代の記録を書いたり、得点を付けたりします。
スコアラーと同じく試合の間ずっと拘束され、集中していないといけないので大変です。もちろん声を出して応援もできません。
アナウンス係
大きな試合になると会場によっては、アナウンスをしたりします。選手の紹介から始まって、試合交代や試合中断、得点、連絡事項などをアナウンスします。俗に言うウグイス嬢ですね。
これは活舌に自信のある人や経験者のある人じゃないと恥ずかしいので、みんな遠慮したがります。
洗濯当番
マネージャーが引き受けることが多い洗濯係です。選手のユニフォームやチームの旗などの小物を定期的に洗濯します。
野球関係のものは、まず砂を予洗いで落としてから洗濯機に入れないと、洗濯機の寿命が短くなりますので、洗濯物の量によってはかなりの重労働になります。
会計・経理係
人が集まると必ず発生するのがお金の管理です。
会費や経費といった支出を通帳と共に管理する人が必要になります。チームで道具を買ったり、グッズを作ったりすることもありますので、集金の手間など何かと大変な役です。
負担軽減、間違いや不正を防止するためにも複数で管理することをおすすめします。
送迎当番
少年野球ではチームのバスがない限り、試合になると親の車で乗り合いしての送迎が必須になってきます。基本は市内の小学校や市営グラウンド・公園になりますが、大きな大会になると県を越えての移動になったりします。
よって大きい車を持っている家庭は重宝されます。ガソリン代や駐車場代などは個人負担だったり、経費で落としてくれたり、チームによりけりです。
長時間の運転になると疲れるし、たくさんの子どもを乗せての運転は何かと大変だし、車は汚れるし、場所によっては駐車場が狭いこともあったりで大変です。
お互い様の気持ちで車を出せる家庭でないと厳しいです。
配車係
車を乗り合いで行く限りついて回るのが配車です。
誰がどの家の車に一緒に乗っていくのか、車の人数制限や駐車場の台数制限、そして人間関係を考えながら配分していきます。
試合の多い時期になると毎回考えなければならないので大変です。
引率・付き添い当番
試合会場が近場なら、子どもたちに自転車で移動してもらうというチームもあります。そのときに必要になるのが、親の引率です。
高学年と言えども学区外に出ることになるので事故や忘れ物、道に迷ったときなど何かあったときに頼れる大人がいた方が良いです。列の前と後ろに一人ずつ親の引率があると安心です。
その他に低学年の子や問題のある子のために、親が練習・試合中に見守り引率(付き添い)があるチームもあります。
場所取り当番
少年野球の試合では、基本的にホームのチームが一塁側を取ることが多いですが、それが決まっていない場合や、大きな会場になると場所取りが必要になることがあります。
保護者の応援席の場所取りがあるチームもあるとかないとか。
ミーティング係
監督とコーチ・親の意見交換の場という名の「飲み会の幹事」の役割です。
いつどこでミーティングをするのかということから始まり、お店の予約や諸々の連絡・集金係をします。コロナの関係でだいぶなくなりホッとしている人もいるのでは?
体験会当番
定期的に新しく入ってくれそうな子のために体験会を開きます。数か月に一度のところもあれば、毎月のところもあります。
体験会では、子どもに楽しんでもらうことも大切ですが、チームの説明や親の不安を払拭するための質問に答える担当が必要になってきます。
グラウンド許可申請当番
少年野球は地域の小学校のグラウンドを使っての活動になるので、グラウンドを使用するための許可を取る必要があります。
意外にもその小学校自体ではなく、自治体ごとに施設の貸し出しを担当している課があるので、そこに申請を出します。
地域の施設で、月1回グラウンド調整会議が開かれることが多いです。他のスポーツ団体とグラウンドを取り合う会議です。
日誌・カギ・トイレ当番
グラウンド調整会議でグラウンドを使う権利を勝ち取ったチームは、その日に日誌の記入や施設のカギを管理する責任があります。
トイレを使用する場合は、練習後に掃除を義務付けられていたりします。
地域のみんなで使う施設なので、ある程度はルールが必要になってきますし、みんなで守って長く使っていきたいものです。
HP・SNS管理係
最近では、ホームページやインスタグラムを導入しているチームも増えてきました。
興味がある人に情報を公開したい気持ちで取り入れていることが多いですが、開設したからにはその管理も必要になってきます。
作って終わりではなく、更新し続けていかなくてはならないので少し手間ですし、途絶えないように引き継いでいってくれる人が必要になります。
おわりに
こんなにあるなんてとてもじゃないけど付き合ってられないわ!と思いますよね?私も思いました。きっと歴代のお母さんたちもそう思っていたと思います。
これでも昔に比べると親の負担は少なくなっている方なんだそうです。今後もさらに少なくしていく方向で少年野球業界も動いています。
一方で家庭では、兄弟のフォロー、習い事・他の予定とのスケジュール調整、食材の買い出し、早起きしてお弁当作り、野球道具の費用負担と置き場所の管理、自主練習の付き合い、送迎に使う自家用車の汚れや掃除、練習着の洗濯の手間、連絡へのこまめな返信(今はLINE)などなど様々な雑務が発生することもお忘れなく。
その他にもチームの保護者同士の付き合いもありますので、子どもだけでなく親の交友関係の変化は必須です。生活が一変したという人もいるくらいです。
これらを覚悟・理解した上で入団してくれる人なんているでしょうか?いや、いないかもしれない…。今まで親の負担については多く語られなかったのも納得ですよね。
親の負担についてはチームによっては、ほとんどないところもあるので、入団をご検討中の保護者さんは、入団前にチーム関係者に詳しく聞いてみて下さい。